2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『維吾尓語基礎教程』(中央民族大学出版社)

阿孜古麗・阿布力米堤編著『維吾尓語基礎教程』(中国北京,中央民族大学出版社)日本では,ウイグル語を学ぶ理由はいろいろあると思う。新疆を旅行して,ウイグル人と知り合いウイグル文化をもっと理解するため学習する人,新疆の歴史に関心があるため,ウ…

山田邦紀,坂本俊夫『明治の快男児トルコへ跳ぶ 山田寅次郎伝』

明治の快男児トルコへ跳ぶ―山田寅次郎伝作者: 山田邦紀,坂本俊夫出版社/メーカー: 現代書館発売日: 2009/01/10メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (5件) を見る山田邦紀,坂本俊夫『明治の快男児トルコへ跳ぶ 山田寅次郎伝』(現代書館,18…

井筒俊彦と前嶋信次

6月27日,慶應義塾大学でシンポジウム「井筒俊彦と前嶋信次 日本おけるイスラーム研究の源流を探る」を聴講した。1.イスラーム学事始の頃の井筒俊彦 慶應義塾大学文学部教授 坂本 勉2.前嶋信次『アラビアン・ナイト』原典訳への道 東京大学大学院教授 杉…

国際語学社 田村茂社長の急逝を悼む

最近,国際語学社はさまざまな言語の語学書の出版で伸びている。その会社を若い社員とともに活躍していた社長の田村茂さんが6月25日に59歳で急逝した。あまりにも早い死であった。こころより,お悔やみ申し上げます。国際語学社のホームページに,田村社長…

トカイ詩集

ガブゥッラー・トカイ(Gabdulla Tuqay, 1886-1913)という夭折のタタール人詩人がいる。トカイの心の叫びを記した詩は,現在のロシア連邦のタタールスタン共和国のタタール人たちが愛読している。トカイの詩は,ロシア革命で満洲など極東に亡命したトルコ系…

大日本回教協会 『世界回教徒対策の必要性に就いて』

大日本回教協会 『世界回教徒対策の必要性に就いて』(昭和13年)昭和13(1938)年は日本のイスラム熱が高揚した年であった。代々木上原に東京モスクが完成し,国策翼賛機関である《大日本回教協会》が林銑十郎元首相を会長に戴いて成立した。貴紳顕…

坂本勉著 『トルコ民族の世界史』(慶應義塾大学出版会)

トルコ民族の世界史作者: 坂本勉出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2006/04/01メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見る坂本 勉著 『トルコ民族の世界史』(慶應義塾大学出版会,2300円)著者が以前出版し,いまは絶版に…

『北支 現地編集 回教及び回教徒』

『北支 現地編集 回教及び回教徒』(第一書房,昭和17年9月)日中戦争が《大東亜戦争》に拡大すると,日本軍は中国大陸で戦線を拡大している。戦線が拡大すると,現地工作も並行して行われていた。とくに,華北のイスラム教徒に対する宣撫工作が行われる…

間野英二訳注『バーブル・ナーマ』(松香堂,1998年)

間野英二訳注『バーブル・ナーマ』(松香堂,1998年,16,000円)間野英二・京大名誉教授は,中央アジア・ティム-ル王朝の王子で,インドのムガール朝の創始者であるバーブがチャガタイ・トルコ語で著した回想録『バーブル・ナーマ』の日本語全訳をした。バ…

イランとアゼリー人

いまイラン大統領選挙で改革派と保守派が対立と衝突を繰り返している。改革派リーダーのムサビ元首相,保守派で最高宗教指導者のハメネイ師の両者はトルコ系のアゼリー人である。偶然であると思うが,両者はイランの東アゼルバイジャンのKhamenehという土地…

NHKアジア語楽紀行「旅するトルコ語」

NHK教育チャンネルにアジア語楽紀行という番組がある。アジア諸言語に中に「旅するトルコ語」とトルコ語もある。NHK教育チャンネルは長い間,語学というと英語・仏語・独語・露語・西語・中国語が定番となっている。最近では,アラビア語,イタリア語…

廣瀬徹也著  『テュルク族の世界』(東洋書店)

テュルク族の世界―シベリアからイスタンブールまで (ユーラシア・ブックレット)作者: 廣瀬徹也,ユーラシア研究所ブックレット編集委員会出版社/メーカー: 東洋書店発売日: 2007/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (2件) を見…

慶應義塾大学語学研究所編 『世界の言葉 何を学ぶべきか』

慶應義塾大学語学研究所編『世界の言葉 何を学ぶべきか』(慶應出版社,昭和18年初版,昭和19年第2版)戦時中に出版された本で,いまでは忘れられてしまった本がある。この本は何語を語ぶべきかを,専門家が簡明に説明している。執筆者たちは,戦後活躍し,…

トルキスタン自治政府元首班チョカイと日本外交官の会談

ムスタファ・チョカイ(チョカイエフ,チョカイオール 1890-1941年,生ペロフスク,没ベルリン)は,ロシア革命期に活躍したトルキスタン主義の政治家。1917年のロシア十月革命後,コーカンドに成立したトルキスタン自治政府の首班。トルキスタン自治政府が…

タタールスタン共和国のカザン

ロシア連邦の中にタタールスタン共和国がある。その首都カザンである。住民の多くはタタール人である。タタール人はロシア語とバイリンガルであるため、日本人がここを旅行するとロシア人との区別がつかないが、彼らはタタール人としてのアイデンティティー…

ナリマン・ナリマノフの死

“Azərbaycan Xalq Cümhuriyyəti Ensiklopediyası”(『アゼルバイジャン人民共和国百科事典』,2巻,バクー,2005年)が出版されている。日本では《アゼルバイジャン民主共和国》として知られている。アゼルバイジャン人民共和国は,1918年年5月28日から1920…

マチャヴァリアーニ駐日グルジア大使

6月12日,マチャヴァリアーニ駐日グルジア大使が横浜の「人形の家」にグルジア人形を贈呈した。人形の家には,世界各国の人形が展示されている。グルジアの人形も展示される。大使はグルジアの初代駐日大使で,写真はご家族。グルジアは日本を重視し,アジア…

アラビアのロレンスとオスマン軍の将軍

ホセ・ファーラー(1909-1992年)が演じるオスマン軍の将軍がロレンスを拷問にかけ,ロレンスをもてあそぶ。このシーンにより,トルコ人の残虐なイメージが演出されている。非常にステレオタイプである。デビット・リーン監督の映画《アラビアのロレンス》で…

アルタイ学者ポリワーノフの粛清

http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/polivanov.pdf 言語学者エフゲニー・ドミトリエヴィッチ・ポリワーノフの写真,逮捕前と逮捕後の写真。スターリンによる1937−1938年の粛清は,ソ連の学問にとり大きな損失を生じさせている。さまざまな…

1935年 神戸オリエンタル・ホテル

写真は,1935(昭和10)年9月15日,神戸オリエンタル・ホテルでアブドルアジズ元全インド・ムスリム連盟会長を来日を歓迎するために開催された夕食会を撮影したもの。アブドルアジズ元全インド・ムスリム連盟会長は,神戸モスク完成を祝賀するため…

スターリンの生地 ゴリ

写真はグルジアのゴリ市のロシア軍占領前の市街地風景である。南オセチアでのグルジア・ロシアの衝突後,ロシア軍がグルジア各地に進撃して占領したことはまだ記憶に新しい。ロシア軍はグルジアへの懲罰を意味したのであろうか,建物,港湾,鉄道,道路を容…

前田弘毅 『グルジア現代史』(東洋書店)

グルジア現代史 (ユーラシア・ブックレット)作者: 前田弘毅出版社/メーカー: 東洋書店発売日: 2009/02/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (4件) を見るユーラシアブックレットのシリーズで『グルジア現代史』が出版された。著…

「服部四郎ノート」内容一覧

東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所から発行されている『アジア・アフリカ文法』(31号)に《「服部四郎ノート」内容一覧》が掲載されている。故服部四郎博士(文化勲章受章者,東大名誉教授,1908年―1995年)の学生時代,大学の講義,研究・調査…

アタテュルク・ダム

http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/AtaturkBaraj.pdfトルコの南東部は歴史的に水不足のため開発が遅れていた。トルコはアタテュルク・ダムの建設を国家事業として実施した。このダムが出来たことでトルコの南東部は,肥沃な大地に変わっ…

ビシュケク・マナス空港の米軍機

http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/Manas01.pdf http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/Manas02.pdfキルギスタン大統領は米軍駐留の延長を認めないと発表し,ロシア寄りの姿勢を明確に示した,米国にとって対アフガニスタ…

アラビアのロレンス

6月2日,NHKのBSハイビジョンで「アラビアのロレンス」をテーマに番組が放映されていた。吉村作治・サイバー大学学長,大河原知樹・東北大学准教授が解説していた。アラビアのロレンスは忘れられてはまた取り上げられる人物である。それだけ魅力と矛盾の多い…

Ali Merthan Dündar, Japonya’da Türk İzleri, Ankara, 2008.

Ali Merthan Dündar, Japonya’da Türk İzleri, Bir Kültür Mirası Olarak Mançurya ve Japonya Türk-Tatar Camiler, Ankara, 2008, 272p(『日本におけるトルコの足跡,文化遺産として満洲と日本のトルコ・タタール・モスク』) 日本や旧満洲に存在するモスク…

ハイバル峠とパキスタン・アフガン国境(続き)

http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/Khayber.pdf http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/Pak-Afghan-01.pdf http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/Pak-Afghan-02.pdfハイバル峠はアフガニスタンとパキスタ…

ハイバル峠通過後のアフガン・パキスタン国境

http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/afghan-pak-kokyo.pdf写真はアフガン・パキスタン国境を往来する人々の様子である。門にパキスタンの旗が書かれている,こちら側がパキスタン領。門の向こうがアフガニスタン領である。建物の上にアフ…

カザフスタンの日本人墓地

カザフスタン共和国のアルマトゥに日本人墓地がある。第2次世界大戦後,ソ連は旧満洲を中心に50万の日本人将兵を捕虜として,シベリア,中央アジア,コーカサスに連行した。第2次世界大戦によって不足した労働力を日本人捕虜の強制労働により補おうとした。…