2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

高田 純 『中国の核実験 英語/ウイグル語翻訳版』

Chinese Nuclear Tests 作者: Jun Takada出版社/メーカー: 医療科学社発売日: 2009/03/16メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る高田純札幌医科大学教授が「高田純の放射線防護学入門シリーズ」で出版した『中国の核実験』の英語…

イブラヒムと頭山満

写真はイブラヒムと頭山満の写真汎イスラム主義者のアブデュルレシト・イブラヒムとアジア主義者の頭山満の出会いは明治末期であった。イブラヒムは昭和8年に再来日し,昭和19年に東京で没する。イブラヒムと頭山満はいろいろな会合で出会っている。イブ…

朝鮮戦争とトルコ軍

写真は国連軍として朝鮮半島に派兵されたトルコ軍兵士が休暇で韓国の町中を散歩している姿。朝鮮戦争が勃発すると,北朝鮮軍の勢いは米軍の予想を超えて破竹の勢いで南下し,釜山近郊まで米軍が追い詰められた。国連は国連軍の朝鮮派遣する決議をした。この…

アゼルバイジャン共和国独立記念日

5月288日は南コーカサスのアゼルバイジャン共和国の独立記念日。この記念日は,1991年のソ連崩壊により,アゼルバイジャンが独立を「回復」し,アゼルバイジャン共和国が独立記念日として制定された。この日はソ連から独立の日ではない。1918年5月28日,アゼ…

中央アジア研究会 『中央アジア叢書』

中央アジア研究会 『中央アジア叢書』(第1輯〜第6輯)中央アジア研究会とういう研究会が,『中央アジア叢書』というシリーズで昭和14年から15年まで合計6冊の小冊子を出版している。これらは国立国会図書館に収蔵されている。第1輯 中央アジア研究会編 中…

神戸モスク

写真は出来て間もない頃の神戸モスク。神戸は幕末開港以来,多くの外国人が居住し,貿易で繁栄してきた。貿易に従事した人々の中には,インド(当時は英領植民地下)からやってきたイスラム教徒たちもいた。篤信家のインド人たちが醵金してモスクを建設して…

日露戦争と親日老人

日露戦争が日本の勝利に終わると,日本はロシアや欧州列強の圧迫下に生活していたアジアの人々に希望を与えた。日本を直接知らないが,日本への片思いが親日家を誕生させた時代があった。大日本回教協会の機関誌『回教世界』(昭和14年6月号)の彙報に,…

昭和13年のイエメン王子訪日を歓迎するイブラヒム

小松久男教授の著作『イブラヒム,日本への旅ーロシア・オスマン帝国・日本』(刀水書房)は,アブデュルレシト・イブラヒムの生涯について要領よくまとめている。イブラヒムは日本の対イスラーム政策のシンボルであった。昭和13(1938)年は代々木上…

バクーのゾルゲ記念碑

リヒャルト・ゾルゲの諜報活動は,現代日本でも関心が持たれ,映画やドラマになっている。彼はアゼルバイジャンのバクーでドイツ人として誕生している。ソ連時代は英雄であったが,いまのアゼルバイジャン人には全く関心の対象にはなっていない。バクーでゾ…

羅紗売りのタタール人

流通の発達した現在では,行商という言葉は死語になっている。農村部で各家庭が自動車を持ち,スーパーやホームセンターに出かけ気軽に買い物にでかけている。昭和30年代までは今のように流通が発達しておらず,行商人がいろいろな品物を携えて戸別訪問しな…

大島直政  『ケマル・パシャ伝』(新潮社)

ケマル・パシャ伝 (新潮選書)作者: 大島直政出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1984/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (8件) を見る故大島直政(1942-1995)氏は,トルコに関する多くの書籍を残している。トルコに関することを…

松長 昭 『在日タタール人』(東洋書店)

在日タタール人―歴史に翻弄されたイスラーム教徒たち (ユーラシア・ブックレット)作者: 松長昭出版社/メーカー: 東洋書店発売日: 2009/02/20メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (2件) を見るhttp://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog…

アゼルバイジャンの近代文学史 民族文化の覚醒

トルコマンチャーイ条約 (Turkmanchay, 1828)により帝政ロシアとイランの間でアラス(Araz)河が国境と定められた。これ以後アゼルバイジャンは帝政ロシアとイランに南北二分化されていくが、これは文化面にも大きな影響を与えることになる。北アゼルバイジャ…

日土協会編 『日土土日大辞典』(1936年)

日土協会編『日土土日大辞典』(1936年、定価10円) ケマル・アタテュルクは、1923年にトルコ共和国が成立して以来、さまざまな分野で大きな変革を実施していた。オスマン帝国がスルタンの為の国家であったのとは異なり、彼はトルコ国民の幸せを考えて反発覚…

エルトゥールル号遭難地点

エルトゥールル号遭難地点は,和歌山県大島樫野崎にある。いま,トルコの海洋考古学の研究者が沈没地点の海中で遺物を回収している。http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/kashinozaki.pdf

エルトゥールル号弔魂碑

エルトゥールル号で遭難したオスマン帝国軍人の弔魂碑はきれいに清掃されています。近くにはトルコ製品を売る土産物屋がありました。トルコ人の店員さんがいました。 http://turkdunyasi-japonya.air-nifty.com/blog/files/ertugrul01.pdf

嗚呼、アタテュルク像!

5月6日の産経新聞の記事を読んで考えさせられた。トルコ共和国建国の父、ケマル・アタテュルク初代大統領の像の扱いをめぐって、新潟でもめているそうだ。1996(平和8)年、像がトルコから新潟県柏崎市のテーマパーク「トルコ文化村」に寄贈された。しかし、…

昭和天皇の和歌山県行幸と土耳古軍艦殉難碑(2)

昭和天皇の土耳古軍艦殉難碑訪問は、『和歌山県行幸記録』で次のように記されている。「第三節 大島村行幸 一 樫野埼燈台御臨幸 黒潮洗ふ南紀の果てに畏くも玉蹕を駐めさせ給ふこと茲に三日、山川草木恵み洽く栄光に満ち渡り尽くことなき歓ひの中に早くも御…

昭和天皇の和歌山県行幸と土耳古軍艦殉難碑 (1)

昨年、関西の友人たちに誘われて南紀白浜に出かけた。南紀白浜は、関西からは高速道路や特急で出かけるには遠くはないが、東京からは陸路(鉄道でも車でも)遠い場所である。飛行機で行くのが一番便利と思い、羽田からJAL機で向かったが、当日あいにく台風通…

東京回教印刷所

代々木上原のモスクの隣にある建物の中に「回教印刷所(Matbaa-i Islamiye)」があった。いまでも建物の中に戦前に使われた活版印刷機がホコリをかぶって残されている。コンピュータのDTP印刷の時代となって、活字を拾い組版をつくって印刷するという活版印刷…

アゼルバイジャン共和国の文字改革

2003年,アゼルバイジャン共和国では、ハイダル・アリエフ大統領(当時)が文字改革の大統領命令を発布した。その布告に基づき、2003年8月1日からラテン文字への切り替えが実施された。ロシア・キリル文字を基にして作られたアゼルバイジャン文字が現代トル…

三沢伸生(監修) 日土協会『日土協会會報』(CD-ROM, Ver. 1)

戦前期に出版された雑誌『日土協会會報』が電子化された。監修者の三沢伸生・東洋大学准教授は,戦前期のイスラム(当時は回教が一般的)関係の雑誌を電子化してる。戦前期に出版された雑誌『回教圏』が複刻されたことがあったが,雑誌を全巻書棚に置いてお…

芦田均著『君府海峡通航制度史論』

トルコに関して忘れられた名著が存在する。戦後首相を務めた芦田均(1887-1959年)は、外交官として約4年間をトルコで過ごしている。トルコ滞在中に彼の子供が亡くなるという悲しいこともあったが、ボスポラス・ダーダネルス両海峡に関する研究を博士論文に…

ウルムチでのロシア語学習熱

新疆ウイグル自治区は中国でも特異な地域である。その自治区の都ウルムチは漢族が人口構成の多数を占めているが、その他の都市カシュガル、イリなどではウイグル族などの少数民族が多数を占めている。このため新疆を訪問した外国人はシルクロードの雰囲気を…

ケマル・アタテュルクと高松宮宣仁親王

アンカラのアタテュルク廟を訪問するとき,その見学コースとして付属博物館を見学するであろう。この博物館はムスタファ・ケマル・アタテュルクの偉業をトルコの国民に伝える場所となっている。アタテュルクが面談した要人たちの写真が掲げられ,要人が贈呈…

『ウズベク語初級 ウズベキスタンへの招待』

伊達 秀『ウズベク語初級 ウズベキスタンへの招待』(星雲社,2008年,199頁+CD,2400円)が出版された。 中央アジアと日本の相互理解を深めるには,現地の言葉を理解することが重要とよく言われています。それで中央アジアの言語を学んでみようと思って,…

大谷光瑞とトルコ

大谷光瑞(1876−1948)は,1914年に大谷家が抱えていた巨額の負債整理および教団の疑獄事件のため浄土真宗本願寺派第22世法主と伯爵を辞している。宗門という枠が取れてから,よりスケールの大きな活動を海外でしている。大谷光瑞という人物は島国の日本人…

東京回教学校

小田急線代々木上原駅の近くにモスクがあるのはみなさんご存じだと思います。いまあるモスクはトルコ宗務庁の支援により建設された二代目の建物です。トルコにあるモスクの様式に似ています。それ以前の建物は,1938(昭和13)年に建てられました。ロ…

菅原純編 『現代ウイグル語小辞典』

菅原純編『現代ウイグル語小辞典』(東京外国大学アジア・アフリカ研究所,742頁)がこの2月に出版されました。編者は小辞典と謙遜されていますが,現代ウイグル語見出しで16,000語,日本語見出しで21,000語の語彙を網羅しています。小辞典の規模ではなく…

戦時中のC機関,君府特務機関

外務省外交史料館に所蔵されている外交文書の中に,第二次世界大戦中イスタンブルにあった日本の特務機関(情報機関)であるC機関に関する外交文書がわずかに残されている。Cとはイスタンブルの旧称であるコンスタンチノープルの頭文字を取っている。日本…