トルコ:日本の大震災とトルコの原発建設計画(現地報道)

3月16日付トルコ各紙は、東北地方太平洋沖地震東北関東大震災東日本大震災)およびトルコの原発建設計画に関して報じている。

1. エルドアン首相の発言概要(訪露前に行った記者会見)

(1)巨大地震による日本での原発被害を理由に、トルコが原発建設計画を停止することはないだろう。

(2)リスクを伴わない投資など存在しない。もしリスクの全くない投資を望むのであれば、石油パイプラインは建設すべきではないし、台所でのガスの使用も止めるべきだ。

2. ユルドゥズ・エネルギー大臣の発言概要

(1)我々は日本の事故を看過はしない。この事故から得られる教訓や注意点は十分議論すべきだ。

(2)現在の原発の安全対策は、40年前に建設された原発と比較して確実に変化している。トルコが建設を予定しているのは第3世代の原発である。我々の原発建設の決意に変更はなく、日本の関係者との協議も継続している。

3. トルコは2010年5月、ロシアのロスアトム(Rosatom)社との間でトルコ初の原発(原子炉4基)建設の契約に署名した。約200億ドルと見られる事業の許認可手続きは既に開始されている。トルコはスィノプでの原発建設についても、地震発生前から日本企業と交渉を続けていた。

4. ハジェッテペ大学原子工学部のカディルオウル前学部長(原子力専門家)の発言概要

(1)メルスィン県アックユにおける原発建設のためにロシアが提案している技術は未だテストされたことがない。1986年のチェルノブイリ原発事故を思い出して欲しい。トルコは全く信頼性に欠ける国から原子力技術を購入しようとしている。

(2)我々はトルコの原発でいかなる技術が使用されるのか承知していない。