スターリンの生地 ゴリ


写真はグルジアのゴリ市のロシア軍占領前の市街地風景である。

南オセチアでのグルジア・ロシアの衝突後,ロシア軍がグルジア各地に進撃して占領したことはまだ記憶に新しい。ロシア軍はグルジアへの懲罰を意味したのであろうか,建物,港湾,鉄道,道路を容赦なく破壊した。グルジアのインフラを破壊した。破壊と略奪が繰り返し行われた。いつもでも戦争での被害者は市民である。グルジア市民も南オセチア市民も戦争の被害者であった。

グルジアのゴリは,スターリン(これはペンネーム)でグルジア名ヨシフ・ジュガシュヴィリの生誕の地である。グルジアでは,グルジアの知識人を粛清したスターリンの人気はないが,生地ゴリだけは例外であった。今回のロシア・グルジア戦争では,ロシア軍が占領した。ゴリ市役所前にはスターリンの巨像があったが,今回の衝突でどうなったであろうか。ロシア軍がスターリン像を破壊したかどうかは伝わっていない。

ゴリにはスターリン博物館がある。写真はスターリン博物館の横に展示してあった,スターリンソ連各地への移動に使用した客車である。係員が内部まで案内してくれた。ゴリでも略奪と破壊が起きたというから,スターリン博物館も無事ではなかったかもしれない。

ロシアではスターリンへのノスタルジアがあるが,ロシア軍の占領軍兵士がスターリン博物館を略奪したか,あるいは保全したかどうか,知りたいものだ。ロシアにとって不都合なニュースはロシアにはいつでも伝わらない。いつの時代にも正義の戦争という言葉は胡散臭い。