2010-01-01から1年間の記事一覧

バクーの第225中学校と日本語

アゼルバイジャンの首都バクーにある、Telman Abbasov記念第225中学校では、中学生30名が日本語を学んでいる。先生はアゼルバイジャン人の女性。彼女のご主人が研究者で大阪府立大学で11年間研究生活をおくったとのことである。11年の日本滞在から日…

アゼルバイジャンの入国査証と不法滞在者

アゼルバイジャン共和国外務省は、10月から空港での入国査証(ビザ)の発給を中止し、あらかじめビザを取得しなければならなくなった。日本人なら以前は空港で写真と料金を支払えば簡単に発行されていた。これができなくようになり、駐日アゼルバイジャン大…

急速に発展するバクー

アゼルバイジャン共和国の首都バクーは急速に変化しつつある。カスピ海の石油がBTC(バクー・トビリシ・ジェイハン)パイプラインを経由して輸出されている。ロシア経由ではない、石油パイプラインができたことはアゼルバイジャンにとって大きな意味があ…

在トルクメニスタン日本国大使館臨時代理大使

最近、トルクメニスタンに着任した外交官は、トルコ語が堪能な人である。トルクメニスタンは、永世中立を宣言している中央アジアの国で、日本ではほとんどなじみのない国である。トルクメニスタンには約1万人のトルコ人がトルコから仕事のため滞在している。…

キルギスのマナス空港での米軍給油問題

オトゥンバエヴァ・キルギス大統領は、米軍への給油の50%をキルギス国営会社が請け負うことを発表した。同大統領はマナス空港での米軍給油がMina Corpというジブラルタルに会社登録した会社が行い、この会社から前大統領に賄賂が流れていたと非難した。米…

トルコについてのウィキリークスによる米国外交文書の暴露

11月29日付トルコ現地各紙によると、トルコに関するウィキリークスによる米国外交文書の暴露に関して、次のような報道があった。1. 28日、ウィキリークス・ウェブサイトにより入手され、米ニューヨーク・タイムズ紙、仏ル・モンド氏、西エル・パイス紙、独デ…

近東の風雲児 (上・中・下) ムスタファ・ケマル

大阪朝日新聞 1922.9.24-1922.9.28(大正11)に、トルコが欧州列強に対して戦闘を続けていたとき、その指導者であるムスタファ・ケマルについての報道がある。当時の日本はトルコから遠くかったが、ムスタファ・ケマルの動向に注目していた。次のような記事が…

【報道】 ウイグル族1人、殴られ死亡=市場で漢族とけんか―中国広東省

中国広東省の日刊紙・南方日報が4日までに伝えたところによると、「同省恵州市内の市場で2日未明、新疆ウイグル自治区出身者と湖南省出身者のグループのけんかがあり、殴打された新疆出身のウイグル族1人が死亡、6人が軽傷を負った。出店場所の縄張りを…

カザフ大統領らの豪勢な暮らし 娘婿誕生会に英人気歌手(報道)

現地からの報道によると、カザフ大統領の暮らしぶりが暴露されている。「カザフスタンのナザルバエフ大統領らの豪勢な暮らしぶりが1日までに、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が公表した米外交公電で明らかになった。大統領の次女の婿は自分の誕生…

日本政府、トルコに柔道指導の警察職員派遣へ(報道)

2010.11.20報道によると、柔道専門の警察職員をトルコに派遣するとのことだ。「北大西洋条約機構(NATO)軍など駐留外国部隊からアフガニスタン側への治安権限移譲に向け、同国の軍と警察の育成が急務となる中、日本政府は来年トルコで実施される警察官…

THE CRESCENT and THE SUN, Three Japanese in Istanbul

HİLAL ve GÜNEŞ İstanbul'da Üç JaponTHE CRESCENT and THE SUN Three Japanese in İstanbulYamada Torajiro, İto Chuta, Otani Kozuiİstanbul Araştırma Enstitütü, October 2010.今年2010年は「トルコにおける日本年」である。トルコではさまざまな展…

米国国務省年次報告書『宗教の自由』

国務省は17日、世界各国の「宗教の自由」の現状をまとめた年次報告書を発表した。中国を例年と同様に「特に懸念される国」に指定し、当局が新疆ウイグル自治区やチベット自治区などで弾圧を続けているとして非難した。 報告書では新疆ウイグル自治区で、昨…

トルコ:スカーフ問題に関する政府首脳発言(現地報道)

9〜11日付のトルコ現地各紙は、イスラム風スカーフ問題に関する政府首脳の発言を次のように報じている。1. ハイリュンニサ大統領夫人(常時スカーフを着用)は、8日、訪問先のロンドンで在英トルコ人と懇談した。その際、学生の一人が「初等教育におけるスカ…

東京回教礼拝堂 『建築雑誌』(第52集、第642号)

『建築雑誌』(第52集、第642号、昭和13年9月)の中に、「東京回教礼拝堂」が竣功建築物として紹介されている。代々木上原に現在ある東京ジャーミーは、トルコ宗務庁によって設計された。トルコでよく見かける建築様式である。このモスクが建設され…

中国企業によるイラン油田開発

アーザーデガーン油田開発および中国企業によるイラン油田開発に関する、8日付イラン現地情報サイトによると、1. アーザーデガーン油田開発に関する石油省次官発言(11月8日付Mehr News)(1)ホジャステ・メフル石油省次官は、メフル・ニュースとのインタビ…

トルコ=シリア関係

東京新聞にトルコ=シリア関係について報道している。「シリア、トルコ両国間の貿易が拡大している。二〇〇四年には関税を原則廃止する自由貿易協定(FTA)に調印、〇九年には入国ビザを相互に免除するなど、両政府が環境を整備してきた。米国からテロ支…

日中露共同によるタタールスタンでの開発投資

ロシアの新聞社の報道によると、ロシア大統領補佐官セルゲイ・プリホジコ(Sergei Prikhodko)氏は、「中国、ロシア、日本の3カ国は11月13~14日、横浜で開かれる第18回アジア太平洋経済協力会議(APEC)サミットの期間中に、大規模な国際協力を行なう協定書…

東京回教学校(Mekteb-i Islamiye)

この写真に写っている手前の建物は、旧東京回教寺院、奥が回教学校で、1938年頃に撮影された。この建物は現存している。戦前にはロシア革命で東京に避難したタタール人の子供たちが学んだ。戦後はトルコ学校となって、トルコから教員が派遣され、トルコ…

ロシア連邦はイスラム化?

ロシアの国勢調査の結果が公表された。それによると、ロシアの人口が1993年の1億4856万から2008年の1億4200万と、656万人の減少となった。近隣諸国(旧ソ連邦の構成共和国)からの流入があったため、この程度の人口減少にすんだ。流入…

カザフスタンの地下鉄と韓国車両

中央アジアにおいて韓国の「現代(ヒュンダイ)」、「サムスン」などの大企業のみならず、中小企業の活躍は目覚しい。アシアナ航空は仁川(インチョン)国際空港とタシケント、アルマトゥに直行便を飛ばしている。ウズベキスタン航空やカザフスタンの航空会…

カザフスタンの地下鉄と韓国車両

中央アジアにおいて韓国の「現代(ヒュンダイ)」、「サムスン」などの大企業のみならず、中小企業の活躍は目覚しい。アシアナ航空は仁川(インチョン)国際空港とタシケント、アルマトゥに直行便を飛ばしている。ウズベキスタン航空やカザフスタンの航空会…

『外国における国語の問題ードイツ・トルコ・中国ー』

高橋健二・柴田武・村尾力『外国における国語の問題ードイツ・トルコ・中国ー』(国語シリーズ47,文部省、昭和35年)の中で、柴田武が「トルコの文字改革」(36−67頁)を執筆している。故柴田武は社会言語学者、言語方言学者として、日本語の研究に…

アザデガン油田開発撤退  「日の丸」石油開発は無理?

国際石油開発帝石(INPEX)がイラン南西部のアザデガン油田開発からの撤退を発表した。アザデガン油田の権益約10%を放棄することとなった。INPEXの筆頭株主は経済産業大臣であるから、準国策石油会社である。日本は米国主導の対イラン制裁の圧力に屈した。…

小林高四郎『イスタンブールの夜 外交余憤録』と外務省革新派

小林高四郎の『イスタンブールの夜 外交余憤録』を前にブログで紹介したが、この小林の書籍を参考文献にしている新書がある。戸部良一著『外務省革新派 世界新秩序の幻影』(中公新書)。その288頁(革新派の戦後)に、小林は匿名にしていた名前が明らか…

トルコ・リラと人民元

温家宝首相がトルコ訪問した。エルドアン首相と共同会見をした。トルコと中国との貿易をもっと盛んにするため、貿易決済にはトルコ・リラと人民元(正しくは人民幣)を使うことに合意した。国際通貨であるドルもユーロも使わない直接取引を目指すとのことで…

フランス:ブルカ禁止法は「合憲」 ←欧州で多文化共生は虚構

フランス:ブルカ禁止法は「合憲」 来年にも施行 新聞報道によると、フランスの憲法評議会は10月7日、イスラム教徒が顔を含む全身を覆い隠す「ブルカ」などの衣装を公共の場で着用することを禁止する法律について、治安上の理由を重視し、合憲と判断した…

中央アジアとレアアース(希土類)

尖閣事件での中国の恫喝外交を見ていると、日本に対して戦略的な圧力を加えてきたことが分かる。中国の戦略的な恫喝外交に対して、日本の外交はなすすべがなかった。ゼネコン社員の逮捕も別件逮捕による人質に取られた形だ。民主主義のない、共産党独裁の中…

イラン人の反中・嫌中感情

テヘランでも中国人の数が目立って多くなっている。安価な中国製の繊維製品などが大量にイランに流入している。このためイランでは繊維業などで失業者が増えている。イランでは、若年者の失業者がもともと多いところに、中国製品の流入により、失業した人々…

テヘランと中国人民元

イランは経済制裁下にあるが、テヘランの市街地は活気に満ちていた。ホテルに多くの中国人ビジネスマンを見かけた。米国抜きでもイランは中国との経済関係を深めている。あるホテルの地下にあった両替商は、その主人はアゼリー人であった。ドル、ユーロはイ…

幻の服部四郎論文集 第5巻

故服部四郎教授の謦咳に接したことが随分前にあったが、今まであった学者たちの中で本当の碩学であった。学問が細分化され、学問を俯瞰することができなくなった時代であるから、さまざまな学問分野から碩学がでることはない。故服部四郎教授のアルタイ諸語…