山田邦紀,坂本俊夫『明治の快男児トルコへ跳ぶ 山田寅次郎伝』

明治の快男児トルコへ跳ぶ―山田寅次郎伝

明治の快男児トルコへ跳ぶ―山田寅次郎伝

山田邦紀,坂本俊夫『明治の快男児トルコへ跳ぶ 山田寅次郎伝』(現代書館,1800円)
プロローグ トプカプ宮殿
第一章 山田寅次郎幸田露伴
第二章 エルトゥールル号来朝
第三章 救護活動
第四章 寅次郎,義捐金活動に動く
第五章 エルトゥールル号事件までの寅次郎
第六章 寅次郎トルコへ
第七章 トルコの寅次郎
第八章 日露戦争
第九章 実業家・寅次郎
第十章 茶道家元・寅次郎
第十一章 その後の日本・トルコ関係

いままで,オスマン帝国からの帰国後の山田寅次郎について,断片的に紹介されてきたが,この書籍は著者たちが丹念に取材を重ね,実業家,茶道家元の山田そして日本・トルコ貿易会に尽力した業績についても明らかにしている。山田の全体像を見せてくれている。山田寅次郎を通じた,日本・トルコ関係史を理解するのに役立つ,読みやすい本である。

日本・トルコ関係史で欠かすことのできない,人物として山田寅次郎がいる。オスマン帝国末期に滞在した山田は,いろいろと伝説化されている。事実よりも伝説が巷に流布している。そんな山田寅次郎の伝記が出版された