坂本勉著 『トルコ民族の世界史』(慶應義塾大学出版会)
- 作者: 坂本勉
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 単行本
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著者が以前出版し,いまは絶版になっている『トルコ民族主義』(講談社現代新書)を増補改訂したもの。教科書としての利用も考え読みやすく書かれている。
序章 イスタンブルに民族問題を見る
第1章 トルコ民族とは何か
第2章 ペルシア・イスラーム世界への道
第3章 東方キリスト教世界のトルコ化
第4章 未完のトルキスタン国家
第5章 アゼルバイジャン 二つの顔
終章 灰色の狼はよみがえるか
本書は,トルコ系遊牧民の民族移動の歴史を追いながら,それを現代の民族問題(アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ紛争やトルコのクルド人問題など)につなげて,ユーラシアに展開するグローバル・ヒストリーをできるだけ有機的に比較史,関係史の視点を入れながら横断的な叙述している。また,コラムを挿入して読者の興味を引こうとしている。
文献案内もあり,トルコ民族史に関心のある読者が読む入門書として適している。