テヘランと中国人民元

イランは経済制裁下にあるが、テヘランの市街地は活気に満ちていた。ホテルに多くの中国人ビジネスマンを見かけた。米国抜きでもイランは中国との経済関係を深めている。

あるホテルの地下にあった両替商は、その主人はアゼリー人であった。ドル、ユーロはイラン現地通貨に両替できたが、日本円は両替できなかった。まあ、日本円が両替できなかったことには驚かされなかったが、中国人民元が両替商で両替できると聞いて、ちょっと驚いてしまった。イランと中国がそこまで接近しているとは思わなかった。

イランと中国は、ドルやユーロを経由しなくても、イランでの貿易決済に中国人民元で現金決済できる抜け道を作っているようだ。米国による経済制裁は、イランを締め付ければつけるほど、中国のプレゼンスがイランで大きくなることに協力しているようだ。

ただ、中国製品が安価でイランに流入して中小の企業がつぶれている。このことから、イランの庶民の間では、反中感情が起きつつあるようだ。

かつて日本はイランにおいて、大きな経済的なプレゼンスがあったが、いまでは過去のこととなってしまった。米国寄りのスタンスは日本にとって必要かもしれないが、日本はもっと独自の道を模索しないと、世界中でマーケットを失っていくだけだ。