経済・政治・国際

キルギス共和国の南北問題

キルギス共和国では,首都ビシュケクの大規模なデモにより,バキエフ大統領は南部に逃れ,その後カザフスタン,そしてベラルーシに亡命している。ローザ・オトゥンバエヴァ女史がとオムルベック・テケバエフ氏が臨時政府を樹立している。バキエフはキルギス…

キルギス騒擾とメスヘティア・トルコ人

キルギスではバキエフ大統領に対する大規模な抗議運動が起きた。この騒擾事件では、首都ビシュケク近郊のマユカ村のメスヘティア・トルコ人(トルコ語ではアフスカ・トルコ人)の村が襲われて、5名が死亡した。メスヘティア・トルコ人はスターリンによって…

北キプロス・トルコ共和国

キプロス・トルコ共和国で大統領選挙が行われ、再統合慎重派の候補が当選した。北キプロス・トルコ共和国を承認している国家は、トルコ共和国だけである。朝日新聞の記事では、北キプロスについて、「…キプロスは1960年に英国から独立したが、多数派のギ…

カザフ人ハサン・オラルタイ氏の死去

カザフ人のハサン・オラルタイ(Hasan Oraltay)氏がドイツで死去した。同氏は1933年に東トルキスタン(新疆)タルバガタイに誕生した。彼の父親Alibek Hakimはカザフ人のリーダーであった。父親の率いるカザフ部族が漢人との闘争などで東トルキスタンから…

駐日カザフスタン大使と日本語

アクルベク・カマルディノフ駐日カザフスタン大使は日本語に堪能である。母国語(カザフ語)以外にロシア語,英語が堪能なポリグロットである。1994-95年には,国際交流基金北浦和日本語センターで研修を受けている。カザフスタンの知日派の有力者の一人であ…

アタチュルク像がお台場の船の科学館に仮設置

新潟県・柏崎市から和歌山県・串本町に移転されることになったトルコ建国の父ケマル・アタチュルク初代大統領の銅像が3月18日,東京・お台場の船の科学館に到着,外装などを整えた後,5月中旬にも串本町に運ばれ,日本トルコ友好120周年記念事業が行…

トルクメニスタン大統領と日本

昨年12月,トルクメニスタン共和国のグルバングルィ・ベルディムハメドフ(H.E. Mr. Gurbanguly BERDIMUHAMEDOV)大統領は日本を訪問した。同大統領は訪日中に日本を紹介する英文書籍100冊を寄贈されトルクメニスタンに持ち帰った。大統領はトルクメン語に翻…

カザフスタンでの嫌中・反中国感情

中国が経済大国として擡頭すればするほどに隣国や周辺国で不安と期待が渦巻いている。日本でも中国脅威論の書籍が売れる一方,財界は対中ビジネスに益々傾注している。いまや日本は中国に経済面で死命を制されるような状況になりつつある。カザフスタンは中…

ウズベキスタンでのビジネスマンたちの逮捕

今週はウズベキスタンで大金持ちのビジネスマンたちが逮捕や拘留された。中央アジアでは,1991年の独立以来,天然資源に恵まれたカザフスタンを除いて,経済的な発展が順調とは言えない。賄賂が横行し,政府とコネのない者がビジネスで大きく成功することは…

米軍中央軍司令官のキルギス訪問

米軍中央軍司令官David Petraeus将軍がキルギスを訪問し,キルギスのバキエフ大統領と会談した。会談では米国が反テロ訓練センター設立を支援することを約束した。米軍はキルギス南部に米軍基地開設を求めていないことを明らかにしている。米軍がなぜキルギ…

アタチュルク像,新潟から和歌山県串本町へ

トルコ政府が新潟のトルコ文化村(廃園)に寄贈したアタチュルク像は,所有者がかわり,その後,アタチュルク像をめぐり柏崎市と所有者の間でトラブルが続いていた。去年,駐日トルコ大使と日本財団関係者の尽力により,問題は解決に向かいつつある。アタチ…

タシケントの図書館と貴重書保存

タシケントのアリーシール・ナヴォイ図書館が2003年以降正常に機能していない。この図書館は帝政ロシア時代の1870年に開館し,その後アラビア語やペルシア語などの貴重書が収集され収蔵されてきた。蔵書は75言語,1000万冊と言われていた。中央アジア最大の…

キルギス南部の反テロ訓練センター設立

米国はキルギス南部にキルギス政府が建設する反テロ訓練センター設立に支援をするという。米国はその費用550万ドル(約5億円)を援助する予定。昨年10月にはトクモック市のチャヤン(サソリ)軍事部隊の整備に900万ドルを供与した。米国は反テロ部隊や反テ…

米下院外交委員会,「オスマン帝国のアルメニア人虐殺」決議案

米国下院は,外交委員会で決議された「オスマン帝国のアルメニア人虐殺(ジェノサイド)事件」決議案を下院議案に上げることをしなかった。これは米国にとっても賢明な選択であった。もし,このまま下院が決議案を上程して,たとえ否決されたとしても,米国…

米下院外交委員会,また「オスマン帝国のアルメニア人虐殺」決議

3月4日,米国下院外交委員会は,「20世紀初頭,オスマン帝国内で発生したアルメニア人殺害事件をジェノサイド(集団虐殺)と認定する」決議を採択した。賛成23,反対22の僅差で採択された。トルコ政府は,この決議に抗議して駐米トルコ大使の召還を決定した…

ウズベキスタンとキルギスの国境閉鎖

2月にウズベキスタンは国境規則を変更した。この規則変更により,キルギス人のウズベキスタン入国が制限されるようになった。キルギス人は3ヶ月に一回に制限されることとなった。この規則の対象としているキルギス人は,キルギス南部に住むウズベク系キルギ…

タタールスタンの自動車会社KamAZとインド

タタールスタン共和国は,ロシア連邦内にあるため,日本では知られることが少ない。このタタールスタン共和国にはロシア自動車会社で有名なKamAZがある。KamAZは,トラック自動車を生産している。軍用と民生用トラックを製造している。ここで生産されるトラ…

預言者誕生日とカザンのシャリフ・モスク

2月26日は預言者ムハンマドの誕生日であった。ロシア連邦タタールスタン共和国首都カザンの中心にあるゴル・シャリフ・モスクでは,預言者の誕生日を祝う式典が行われた。トルコのテレビ局がこの式典の様子を撮影し,イスタンブール,スコピエ(マケドニア)…

オスマン帝国海軍軍艦エルトゥールル号と明治天皇贈呈品

2月20日,トルコ・日本合同調査隊が五年間エルトゥールル号遭難に関する海中調査活動を続けてきた最終日に明治天皇が贈呈した菊の御紋章入り陶片を発見したそうである。最終日に発見されたのは,日本とトルコの調査隊にとって有終の美を飾ることができたかも…

東トルキスタン基金会長ルザ・ベキン将軍死去

2月16日午後8時,東トルキスタン基金会長のルザ・ベキン将軍がアンカラの病院で死去した。ご冥福を祈ります。ルザ・ベキン将軍は,1924年に東トルキスタン(新疆)のホータンで誕生した。1934年,家族とマッカ巡礼の帰路,アフガニスタンのカブールで伯父の…

トルクメニスタン大統領の訪日

ベルディムハメドフ・トルクメニスタン大統領が訪日した。天皇陛下との会見,鳩山首相との会談が行われた。新聞報道を見かけることはなかった。トルクメニスタン大統領は,訪日に満足して帰国したそうである。そして,日本と関係を重視して,トルクメニスタ…

トルコ,新オスマン帝国?

最近,トルコのエルドアン首相は,ビジネスマンを引き連れてリビアを訪問した。リビアのカダフィー大佐と会談し,ビザなし交流などの議定書に署名した。リビアはかつてオスマン帝国の領土であった。最近,トルコは善隣友好関係として旧オスマン帝国領の国と…

クリントン国務長官のカザン訪問

クリントン国務長官は,スイスでトルコ・アルメニア国交樹立議定書署名式典に参加し,そのあと2日間ロシアを訪問した。日本では全然報道されていないが,訪問2日目の10月14日のタタールスタンのカザンを短時間訪問し,タタールスタン大統領シャイミエフやタ…

トルコ・アルメニアの国交樹立(続)

今月10日,スイスでトルコ外務大臣とアルメニア外務大臣が米国務長官,露外相,EU代表,スイス外相の立ち会いで国交樹立の議定書に署名した。トルコとアルメニアの国交が正式に樹立されるのは両国議会において,この議定書が批准されて正式に発効することに…

トルコ・アルメニアの国交樹立

スイス・チューリッヒでダヴトオール・トルコ外相,ナルバンジャン・アルメニア外相が両国の国交樹立に関する署名をおこなった。この式典をクリントン国務長官,ラブロフ露外相,EU代表などが式典を見守った。式典を終了してトルコ外相は微笑をもらし,アル…

独立国家共同体首脳会議

モルドバで独立国家共同体(CIS)の首脳会議が開催された。CISは11ヶ国が加盟している。ロシアはこの共同体の盟主の意識を強く持っている。今回の首脳会議では,トルクメニスタン,ウズベキスタン,タジキスタン,カザフスタンの中央アジア首脳が欠席した。…

アゼルバイジャンの日本大使館とイスラエル大使館

今週月曜日,アゼルバイジャン・バクーの裁判所は,去年米国大使館とイスラエル大使館に対する攻撃未遂で逮捕されたレバノン人2名とアゼルバイジャン人4名に懲役12−15年の形を言い渡した。こういう記事を読むと,日本と何の関係もないと他人事として読…

新疆ウイグル自治区の衝突事件に関して

上海在住の中国人ジャーナリストの友人が新疆を訪問し,現地の人々(漢族とウイグル族)の双方から話を聞いた。今回の事件では約1,000人が死亡している,とのことである。正確な数字は分からないとしても,多くの人の血が流れたことだけは事実のようだ…

NHK海外ネットワークと新疆

昨日27日のNHK海外ネットワークで「建国60年 台頭する中国のいま」で中国を特集していた。その中で民族紛争として,新疆問題が取り上げられていたが,取材した場所は石河子市だけであった。中国当局の許可が下りたのが石河市だけだったようだ。石河子市は新…

グルジア・ゴリのスターリン博物館は無事

毎日新聞の特派員スケッチでスターリン博物館の様子が掲載されている。スターリンが移動に使用した客車も無事であった。ロシア・グルジア紛争でゴリがロシア軍に占領されたが,スターリン博物館を保全したようだ。ロシアの指導者であったスターリンの博物館…