北キプロス・トルコ共和国

キプロストルコ共和国で大統領選挙が行われ、再統合慎重派の候補が当選した。北キプロス・トルコ共和国を承認している国家は、トルコ共和国だけである。

朝日新聞の記事では、北キプロスについて、「…キプロスは1960年に英国から独立したが、多数派のギリシャ系住民と少数派のトルコ系住民が対立。74年、ギリシャとの併合を狙ったクーデターに対抗してトルコ軍が北部を占領。83年に北キプロスが独立を宣言し、分断状態となっている」と書かれていた。

この記事の書き方は、ギリシアや欧州諸国の見方と同じである。1974年のキプロス危機では、トルコは条約に基づいて、トルコ系住民の命を守るために出兵した。しかし、トルコ軍の行動が占領軍になってしまっている。日本は欧州の見方から距離を置いた見方をしてもいいと思うが、一度定まった見解を変わることは難しい。欧州諸国はトルコを異分子として、扱うことが多い。

北キプロスでのトルコの軍事行動が占領軍になってしまうように、戦前の日本軍の行動にも同じようなことがあったが、いまの歴史認識では全てネガティブな評価が下されてしまっていることと同じかもしれない。歴史認識は政治的な意図で形成されていることを、我々は認識していない。