カザフスタンでイスラムTV局開局

8月22日からラマダン(断食月)が始まった。この日,カザフスタンの元首都アルマトゥでテレビ局《Asyl Arna》(神聖チャンネル)が放送を開始した。放送番組にクルアーンコーラン)の読み方や解釈,イスラムに関する宗教教育などイスラムに関係するものが多く放映される。今後は放送エリアを首都アスタナ,アクタウなどに拡大するとのことである。

カザフスタン遊牧民イスラムを信仰するようになったのは歴史的に遅い。カザフ人のイスラム受容が遅かったこともあり,カザフ人は一般的にイスラムに対して厳格な信仰をもつ人が多くはない。部族社会に基づく遊牧民の価値観が優先している。都市部でなくなっているが,最近までカザフ人は7代遡って同じ部族出身であると結婚はタブーであった。韓国の同じ本貫出身者が結婚しないのと似たよう感じである。

イスラムへの信仰が希薄であるカザフ人が多く住み,オイルマネーを背景に急速に発展しつつあるアルマトゥにイスラムTV局ができたの興味深い。誰がこのTV局に出資したのであろうか? このTV局の視聴率は,多分高くはないと思うが,メディアを通じてイスラムを学ぶ機会ができた。イスラムTV局がイスラムへの信仰が低い地域であるカザフスタンでどういう活動を続けていくのか,イスラムは布教活動をしないと言われるが,《布教や宣教》の視点で興味深い。