中立国トルクメニスタンと米軍高官

8月14日,米軍中央司令部David Petraeus司令官がトルクメニスタンを訪問した。司令官の訪問は,米軍とトルクメニスタンの協力関係を強化するとのことである。

最近,ロシアは中央アジア諸国に対して積極的な軍事・外交を推進している。ロシアはキルギスで軍事基地を開設し,中央アジアアフガニスタンに睨みをきかせようとしている。一方,米国はロシアに比べると,中央アジアで軍事・外交が一歩遅れているかのように,日本の報道だけでは思えてしまう。しかし,米軍は水面下で中央アジア諸国との軍事交流や情報収集を進めている。

トルクメニスタンは中立国として,ロシアと距離をおく外交を推進している。このため,《中央アジア北朝鮮》と呼ばれたこともあったが,北朝鮮とは異なり,トルクメニスタンは米軍と情報を交換している。米軍がトルクメニスタンとどのような協力関係にあるかは,残念ながら,その内容は不明である。トルクメニスタンが《中央アジア北朝鮮》という例えは間違っている。

トルクメニスタンは,中立国として生き残るため,鎖国をして孤立しているように見えるが,現政権は国際情勢の推移を見ながら,ロシアと米国を天秤にかけつつ外交を進めている。意外にしたたかである。12月には,トルクメニスタン大統領が初めて訪日する。