クルバン・バイラム(犠牲祭)

イスラム世界でクルバン・バイラム(犠牲祭)が27日から始まる。トルコでも犠牲祭に屠られる羊が集められている。羊が屠られ,解体される。羊の肉が貧しい人々に贈られる。犠牲祭はトルコ人遊牧民アイデンティティを継承させているもの一つであろう。

昔,トルコの路上で犠牲祭で羊が屠られる様子を初めて見たとき衝撃を受けた。日常生活で動物を屠る様子を見ることがないのでショックだった。その後,何回か見たので,慣れというか,トルコの文化への理解が深まったのか,ショックを受けることはなくなった。イスタンブルアンカラでは,市役所の指導により,羊を屠る場所を建物の中に設定するなどと犠牲祭の羊の屠り方も変わりつつある。

日本では,魚の活け作りやエビのおどりぐいを普通にしているが,これに衝撃を受ける外国人もいる。文化や生活の違いにショックを受けることはどこでもあり得る。文化や生活の違いを野蛮と決めつけることは慎まなければならないと思う。日本人がクジラを食べることを野蛮と決めつける欧米人は,他者の文化や習慣を理解しようとしない独善性を感じる。