新疆大学と少数民族

ウイグル自治区共産党が制定した綱領によると,少数民族言語を第一とし,漢語を第二とすることになっている。しかし,現実にはウイグル語の表示や看板がウルムチ市でますます少なくなっている。少数民族の言語や文化は全く尊重されなくなっている。

新疆ウイグル自治区は,「ウイグル」という名称を冠しているが,ウルムチなど大都市は漢族の都市となっている。漢語(中国語)の読み書きができないウイグル人はたくさんいる。少数民族が大学に入学するのは非常に難しい。新疆のトップ大学である新疆大学を訪問してみると,ウイグル人など少数民族の学生姿を見かけることはない。自治区綱領は実態を反映したものではない。ウイグル語で高等教育をかつて受けることができたが,いまでは受けることはできない。ウイグル人の先生がウイグル語ではなく,漢語で授業をしなければならなくなっている。

新疆大学では,漢族の学生のほとんどが少数民族の学生と交流する機会を持たない。中国政府が民族共生を唱えても,全くの実態のない,お題目に終わっている。若者の間でも,漢族と少数民族の溝は埋まるどころか,今回の衝突事件を通じて拡大するばかりである。