新疆での民族衝突について
新疆ウイグル自治区での民族衝突に関するTVニュースを見ていて,民族問題の複雑さをかいま見ることが出来た。
ウイグル族の暴動に反発した漢族がウルムチの大通りを包丁,スコップなどをもってデモするシーンが放映されていた。漢族に混じって白い帽子をかぶった回族(イスラム教徒の漢人)も参加していた。
ウイグル族と回族は,同じイスラム教徒であるが,歴史的な経緯もあって,昔から関係がよくはなかった。新疆にもウルムチ市に多くの回族が生活しているが,ウイグル人と会話している姿を見ることはない。知り合いのウイグル人に聞いてみても,回族とはほとんど会話することはないとのことであった。回族は回族のコミュニティーでまとまっている。
回族が漢族と一緒に反ウイグルのデモに参加していたのを見ていると,イスラムという宗教の下にウイグル族と回族が連帯する可能性はないようである。ウイグル族と回族という少数民族間にも問題が存在している。漢族・少数民族の対立だけではなく,少数民族間の対立もあり,中国の民族問題は複雑で錯綜している。中国共産党は,民族問題を統治の道具として利用し続けるなら,将来も問題解決に至るのは非常に難しい。