中央アジアは日本ではなく,中国に向いていく

今年10月には,カザフスタンから中国新疆への石油パイプラインが完成する。年末には,トルクメニスタンから中国新疆までガスパイプライン(トルクメニスタン東部から新疆まで約1800キロ)が完成する。中国向けの石油とガスのパイプラインが完成する。この大規模工事に中国は資金援助している。このパイプラインを通じて,石油とガスが中国に輸出を開始すれば,その収入が中国から中央アジア諸国に支払われる。中国マネーが中央アジア流入する。

中央アジアは,「旧宗主国」ロシアと欧米が主要なプレーヤーとして,勢力や覇権争いをしてきた。パイプライン完成により,中国の影響力は中央アジアに確実に拡大する。日本外交が「中央アジア+日本」というような枠組みをつくって努力しても,中国マネーの攻勢にはなすすべもない状況になりつつある。