キルギス政変とマナス空港駐留米軍利権

キルギスのオトゥンエヴァ新政権は、バキエフ大統領を追放したが、バキエフ元大統領もアカエフ大統領を亡命させた。今回の政権が、今までの政権とは違っている点がある。米軍のマナス空軍基地をめぐる腐敗と利権にメスを入れようとしている。

アカエフ元大統領もバキエフ前大統領も、米軍基地で燃料補給などを仕切っているレッド・スター・エンタープライズ社とミナ・コーポレーション社(米国防省と独占契約をしているが、法人登録は英領ジブラルタル<ここは租税回避地タックス・ヘイブン」)にある、実体の分からない会社から資金の提供を受けていた。米軍の巨額の軍事費の一部は、このような実体の分からない会社を通じて、賄賂や工作など裏の部部で使われている。まあ、戦争とか、謀略というものは、そんなものであろう。米国がそのような軍の暴走に一定の歯止めがかかるのは米国議会での公聴会があるからであろう。最近、米国議会でもこれらの会社に関して調査が始まっているようだ。

これらのダミー会社を通じて、アカエフ一族やバキエフ一族に資金が流れていたことは確実で、キルギスでは米国からの支援がキルギス国民への分配されることがなかった。キルギス新政府は、マナス空軍基地の利権を調査している。アカエフやバキエフとは違い、キルギス新政府は、マナス空軍基地での利権を政府に入れようとと考えている。現在、キルギス政府と米国務省の間で交渉が行われている。米軍からの収入がキルギス政府に入るようなれば、キルギス国民の生活向上に使われるようになるであろう。